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  • 執筆者の写真Omura Masayuki

飼育奮闘記〜タガメ編(その1)

幼虫がすべて蛹化準備に入ってゲンゴロウ飼育がひと段落した日、昆虫学者の○先生から「タガメが孵化しました。10頭くらいどうですか?」との連絡が来た。前月採集に同行させていただき、その時採集した親が産んだ卵から60頭ほど孵化したとのこと。

やっと生き餌縛りから解放されたところに、そうきますか!

けど抗えんですよね、これは。タガメの1齢幼虫なんて見たことすらないもん。まあ10頭はさすがに多すぎるので「3頭いただきます」と答えると、「タガメは難しいので羽化率半分以下ですよ」とのこと。うーむ。「じゃあ倍の6頭!」と、受け取りに行って、帰って数えてみたら8頭……。

まあいいや、がんばります。もはや使命です。


てな具合に始まったタガメ飼育。

とりあえずはまず1齢幼虫の絵。

仮面ライダー世代の我々には「アマゾン」ですよ。体長が1センチ程度なので、まんまカメムシ幼虫的な風采ですね。まだ弱々しくてかわいい。

ゲンゴロウ幼虫の時と同じ100均容器で個別に飼育、エサは近所の池で捕獲した稚魚。

タガメもまたゲンゴロウ幼虫と同じように、エサに口を刺して消化液を注入し、溶かした肉をちうちう吸う体外消化。体液を吸われた魚の残骸や、幼虫が飛ばす黒い液体状の糞で水質が悪化するので、毎日の水換えが必須で、やっぱりそれなりに大変。

エサ魚の残骸は親ゲンゴロウたちの水槽に入れとけば勝手に処理してくれるので助かるけど。



7/6

早くも最初の脱皮。

照明器具の関係でイマイチ美しさが伝わりませんが、透明感のあるライムグリーンの体がメチャきれいです。



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2→3齢への脱皮。

ゲンゴロウと同じく脱皮前は餌を捕らなくなるのでわかりやすい。

でもやはり脱皮の瞬間をとらえるには我慢の張り込みをせんといかんので、どうしても見逃してしまう。

脱皮後ももちろん外殻が固まるまで餌は捕りません。




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3齢幼虫。

えさを食べなくなり、色も濃くなってきて、そろそろ脱皮が近そう。



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3→4齢の脱皮。やっと瞬間に立ち会えた。きれいな色やなあ。

それにしても、抜け殻より大きなものが出てくる脱皮という仕組み、何度見ても不思議やけど、よくできとるなあと思う。


ゲンゴロウの羽化ラッシュも重なって、なんだか家の中が水槽とプラケースと100均容器でワチャワチャしとる。そして虫たちの従僕になっている私という存在。



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終齢(5齢)への脱皮を前に、1頭が★に。水が悪くなっとった?



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4齢幼虫。

もうこのあたりになると、日に2回のエサやりと朝夕の水換えが必要になってきた。

これまではがんばって近所の池でギンブナの子やらカダヤシやら調達してましたが、これまたゲンゴロウの時と同じく、1日に2匹とか食うようになってくると、2日でざっと30匹の勘定。池で大人が網持ってガサガサしていると、やっぱり何しとるか気になるのが人ってもんで、散歩の人やら遊びに来た小学生やら子連れのご母堂方やらに聞かれていちいち答えるのもめんどくさいし、なにより今年の夏は暑かった!

市内で大型肉食魚を扱っているペットショップを調べて、今後はエサ用の小赤(金魚)を購入することにした。


またもや終齢への脱皮を前に、1頭が★に。前日のこともあって、水質には十分気をつけたつもりだったんやけど……。



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終齢(5齢)になりにけり。

もう5センチくらいあって立派です。そろそろ飼育容器を大きくせんといかん。


一方でまたしても1頭が★に。どうも水質だけが原因ではないのではないか。3頭が3頭とも脱皮準備中の段階だったし。考えたらセミも羽化途中で固まるやつがいっぱいおるし。硬い殻を破ってあれだけ大きい内容物が出てくるんやもん、そんなのうまくいくほうが驚くべきことだし、すごいメカニズムだと思う。脱皮や羽化ってのはやっぱりそれだけ負荷がかかる危険な状態ってことなんよなあ。



8/2

なかなか終齢への脱皮準備に入らなかった最後の1頭が、とうとう★になった。

結局、終齢になれたのは50%。最終的に羽化成功するのはどれくらいなんやろ。不安。



--タガメ編 その2に続く


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