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執筆者の写真Omura Masayuki

飼育奮闘記〜ナミゲン編(その1)

今年の春〜夏は、ゲンゴロウ(=通称ナミゲン)とタガメという2大水生昆虫の飼育にかまけていて、他の虫にかまう余裕がなく。

なにぶん幼虫飼育はどちらもはじめてのことで、ネットにアップされている先人の方々の記事が最大の参考書という、手探りの飼育が始まった。



GWに新ペアを調達してきて、オス1+メス2になったゲンゴ水槽ですが、今度こそ繁殖成功させちゃる!と最初におこなったのは、産卵用水草の調達と、その水草に適したちょっと大きめの水槽の準備。

昨年まで幾度かホテイアオイでチャレンジしてみたけども、齧り跡がぐしゃぐしゃになって産卵跡なのかただ食い散らかした跡なのか判然とせんし、すぐぐずぐずになって腐れてしまうので、もうホテイは使わん!と見切りをつけ、ホムセンで売っていたひと鉢950円也(高!)のナガバオモダカ×2鉢を購入。

ひと鉢だけゲンゴ水槽に入れといて、産卵の形跡が見つかったら、すかさずもう一方の鉢とさしかえる戦法。生まれたてのゲンゴロウの幼虫は15mm程度しかないので、すぐにほかの生き物(水槽清掃要員のヌマエビとかドジョウとか淡水ハゼ)の餌食になってしまう。幼虫同士で共食いの可能性も高いので、ソッコー隔離の必要があります。



5/14

どちらかの♀が産卵した。と言っても撮影している時点では、おそらく産卵しているだろうということしかわからんのですが、この行動は間違いなかろう。撮った写真を見て確認。

オモダカの茎を囓るメス。産卵するのか?

囓ったところに腹部の先端をあてている。これは産卵行動に違いあるまい

5/16

その後もオスは隙さえあればメスをつかまえて交尾している。メスはけっこうな期間、体内に精子を保存でき、翌年にそれを使って受精したりもできるらしい。


オスの前足の吸盤が活躍する交尾シーン。メタリックグリーンの光沢が美しい


5/24

産卵からおよそ10日ほどで孵化するとのことだったので、7日目くらいから、毎朝じっくり隔離水槽を観察していたところ……。

!!!

おった!

初めて見るナミゲンの幼虫です!

体長20mm強。顔はクサカゲロウの幼虫みたい。


すぐに掬い取って、なんかしらん台所にあった小さいプラ容器に移す。

エサは釣具屋で赤虫(ユスリカの幼虫)を買ってくればよかろうと思っていたが、調べていると、釣具屋で売っているやつは、成虫になったら困るので成長抑制剤を使ってあることが多いという。そんなもん与えたら絶対ダメだろ。

ならばそのあたりで調達してくるしかあるまいて。

ところがこれが意外と難しい。昔あちこちにあった、有機物が大量に溜まった水路なんかほとんど絶滅したしなあ。

ようやくたくさんおるところを見つけたものの、時期のせいか糸のように細いのばっかり。とりあえず太いのだけを数匹選んで持ち帰ることにしたけど、それだけではすぐに食い尽くすのは目に見えとるので、近所の池で稚魚捕り。こっちは大漁。


与えると、さっそくまず赤虫に食らいついた。といっても自分で動いて捕まえるのではなく、待ちの狩り。あごを開いて獲物が近づくのをじっと待ち、射程に入ったら素早い動きでとらえる。


体液を吸いはじめると、透明だった体が赤くなっていくのでなかなか生々しい。


それから3日間で7頭が孵化。思ったより多かったけど、稚魚でもちゃんと捕まえられることがわかったので、ひとまずエサの問題はクリア。



5/28

孵化もひと段落したようだったし、ボロボロになった葉柄を摘み取って、捨てる前にいちおう卵の有無を確認していると、1本の茎から未孵化の卵が出てきた。しかも孵化が近いと思われ、幼虫が透けて見えとる。なんてラッキーな。


長さ1㎝強。たまたまとはいえ、いいものが見れた

どうしたらいいかわからんけど、乾燥しないように、水でひたひたにした脱脂綿で半分包むようにして、様子を見ることにした。

2つめのオモダカの鉢にも産卵痕が見られたため、隔離水槽に移し、1つめの鉢を戻す。



5/29

翌日、上記卵から無事に幼虫が孵化。

単純にほっとした。処置も間違ってなかったのがうれしい。



5/31〜6/3

2つ目のオモダカの鉢から新幼虫3頭が孵化。

先に孵化した8頭とは腹違いか? 残念ながらこの時点では確かめようがない。



6/7

孵化ラッシュもどうやら落ち着いたとみえる。

総勢11頭。

大きい容器が2令幼虫、小さい容器が1令(1頭は2令に脱皮直後)

さあこれからエサの調達が大変。

羽化率ははたしてどれくらいなんだろか。


--その2に続く



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